日本のAI事業:2018年上半期【大手・老舗企業編】まとめ

日本のAI事業:2018年上半期【大手・老舗企業編】まとめ


日本国内のAI事業を紹介

2018年上半期のまとめ記事

2018年も7月に入り、折り返し地点を過ぎた。

ここで、2018年上半期の日本国内の企業・メーカーによる「人工知能・AI」に対しての活動や事業についてまとめてみよう。



これから紹介する記事の数々は、2018年上半期に当ブログ「人工知能ムスメは独身男の夢を見るか?」で取り上げた国内企業・団体・機関の記事である。

以前、当ブログでは、

日本:世界的にAI研究に遅れる日本の事情

というタイトルで、日本におけるAI事業の危機について紹介した。

依然、その状況は変わることはないが、世界と戦える「起爆剤」たる事業も少なからず動き始めている。

「ものづくり日本」

の看板を再度掲げ、巻き返しに図る2018年後半に向け、いま一度、それら日本のAI事業を見なおしてみよう。

なお、紹介順は50音順となっている。

 

NEC

「未来予測」に活用する「予測分析自動化技術」を開発

NEC:高精度の未来予測「予測分析自動化技術」3つの特徴

企業・団体名 日本電気株式会社(略称:NEC)
所在地 本社:東京都港区芝五丁目7番1号
事業内容 電気機器製造・販売メーカー
創業年 1899年

自社でのAI技術開発群「NEC the WISE」の起ち上げ。

デジタル化によって得られるビッグデータを「未来予測」に活用する「予測分析自動化技術」を開発した。

顧客である「三井住友銀行」ではその技術を活用し、2〜3ヶ月かかったデータサイエンティストによる予測モデルの作成を、1日で完了させることを成功させた。

 

NTT

監視AIサービスの開始&スマートフォン用「音声アシスタントAI」

NTTドコモ:my daiz(マイデイズ)日本製人工知能「音声アシスタントAI」サービスをスタート! 将来的には「ユーザーの感情抽出」も可能か?

企業・団体名 日本電話通信(略称:NTT)
所在地 本社:東京都千代田区大手町一丁目5番1号
事業内容 情報・通信業
創業年 1985年

NTTグループはAI事業の拡大を目指し「corevo(コレボ)」という研究団体を設立。

NTTコミュニケーションズが、録画映像から不審者などの特定人物を自動検出することができるAI人物検索サービス「Takumi Eyes」の提供を開始。

NTTドコモは、スマートフォンで利用可能な、音声アシスタントAI「my daiz」のサービスを開始した。

my daiz の機能は、既存のスマートスピーカーに搭載されている音声アシスタントAIに匹敵する。

また、NTT東日本は、行動検知AIを活用した防犯システムを提供している「アースアイズ株式会社」と業務提携を結び、万引き防止AIサービス「AIガードマン」をスタートさせた。

 

金沢工業大学

AIによる「介護計画書」の自動作成「介護利用者の生活の質向上」

企業・団体名 金沢工業大学
所在地 石川県野々市市扇が丘7−1
学校種別 私立大学
創業年 1965年

地元ヘルスケア事業社「株式会社ロジック」と提携し、AIによる「介護計画書」の自動作成「介護利用者の生活の質向上」を研究、実現を目指している。

2025年を目処に、「地域包括ケアシステム」の構築を進めている。

 

サカワ

授業AIアシスタント「Josyu」の開発・販売

企業・団体名 株式会社サカワ
所在地 本社:愛媛県東温市南方2215-1
事業内容 電子黒板・黒板メーカー
創業年 1919年

AIの「音声認識」による「授業のテキスト化」を行い、そのテキストからAIが重要な用語を抽出し、プロジェクターで黒板に映し出すなど、授業中の教師の負担を軽減させるAI技術を開発・販売。

黒板に「リアルタイムテロップ」や、授業の漫画化など、新たな使用事例も研究・開発中である。

 

SHARP

スマフォカメラにAI技術を採用&AIによるネコのケアモニター

企業・団体名 シャープ株式会社
所在地 本社:大阪府堺市堺区匠町1
事業内容 電気機器製造販売メーカー
創業年 1935年

最新スマートフォン「AQUOS R2」のカメラにAI技術を採用。

人工知能による「画像認識」「表情認識」を応用し、動画撮影中でも自動的に被写体のベストショットを静止画として撮影してくれる。

また、AI技術を用いたペット用品の開発にも着手。

ネコのトイレでの排泄量や滞在時間から、個体それぞれの健康状態をモニターできる。

 

SONY

Amazon Alexa 対応の照明器具を販売開始

企業・団体名 ソニー株式会社
所在地 本社:東京都港区港南一丁目7番1号
事業内容 電気機器製造販売メーカー
創業年 1946年

人感センサーや照度センサー、そしてマイクとスピーカーを内蔵した照明器具「マルチファンクションライト」の一般発売を開始。

多機能なライトの機能をAmazon EchoなどのAlexa搭載デバイスを通じて手軽に音声制御できる。

また、ブログ記事にはないが、スマートスピーカー事業への積極的な展開を続けている。

 

DeNA

AIによるアニメーションキャラクターの自動生成

企業・団体名 株式会社ディー・エヌ・エー
所在地 本社:東京都渋谷区渋谷2-21-1
事業内容 ソーシャルゲーム開発・サービス業
創業年 1999年

人工知能(AI)を用いることで、鮮明なアニメキャラクターの画像生成および、作成したキャラクターに動きをつけることが可能な「動画生成技術」を開発した。

東京大学

AIによる「魅力度測定」の研究・開発

企業・団体名 東京大学
所在地 本部:日本東京都文京区本郷七丁目3番1号
学校種別 国立大学
創設年 1877年

AIによる、女性の「魅力度測定」を研究・開発。

測定を行うだけでなく、AIの分析による評価値を最大限に引き出すメイクサンプルも表示される。

実際に、そのビフォアアフターを人間が比較したところ、圧倒的にメイクサンプルのほうが評価が高いという実例も発表した。

 

トヨタ自動車

AIによるタクシー配車システム&AI用運転データ収集

企業・団体名  トヨタ自動車株式会社
所在地 本店:愛知県豊田市トヨタ町1番地
事業内容 運送用機器メーカー
創業年 1933年

トヨタ自動車は、Japan Taxi(日本交通グループ会社)、KDDI、そしてコンサルティング会社であるアクセンチュアとの4社共同で、人工知能を活用したタクシー配車支援システムを開発。

このシステムを活用したタクシーは、効率的な配車により売り上げを20%以上上昇させる結果を生み出した。

また、タイムズ24と提携し、カーシェアリング車からの運転データの抽出を行い、AIのディープラーニング用データとして活用している。

 

P&Gプレステージ

AIによる化粧品カウンセリング

企業・団体名 P&Gプレステージ合同会社
所在地 本社:神戸市東灘区向洋町中1丁目17番地
事業内容 化粧品メーカー
創業年 1987年

東京都渋谷区に期間限定で、顔認証技術や人工知能といったテクノロジーを取り入れた、次世代の体験型リテールストアを出店。

化粧品のカウンセリングアドバイスを、AIがおこなう。

 

富士通

パソコン用「AIアシスタント」&「ロボピン」

企業・団体名 富士通株式会社
所在地 本社:東京都港区東新橋一丁目5番2号
事業内容 通信/情報処理システム・電子デバイスの製造販売
創業年 1923年

スマートスピーカーに搭載されている「音声アシスタントAI」的なAIアシスタントを自社パソコンに搭載。

音声での音楽再生や、天気予報に加えて、チューナーを接続したパソコンであれば、テレビ番組の録画や予約も可能である。

また、2020年開催の「東京オリンピック」においての外国人観光客の案内や、コンビニエンス・ストア「台湾ファミリーマート」での商品説明およびキャンペーン案内用のAIロボット「ロボピン」の開発・設置を行っている。

 

円山動物園

AIによる動物の健康管理

管理運営  札幌市環境局
所在地 北海道札幌市中央区宮ケ丘
事業内容 総合公園・動物園
開園年 1951年

北海道札幌市「円山(まるやま)動物園」は、人工知能による「顔認証システム」を活用した、チンパンジーの行動パターン機械学習を行っている。

個体数が多いことから、人間での観察による全体の管理は困難ということから始まった実験検証。

行動パターンに異常がみられた個体を抽出し、そのチンパンジーのみを検査・診療することで大きな時間の削減を図ることを目指している。

この技術が確立できた暁には、将来的に家庭のペットにも応用させることが可能である。

 

吉野家

バックヤードに協働AIロボットを導入

企業・団体名 株式会社吉野家
所在地 本社:東京都中央区日本橋箱崎町36番2号
事業内容 飲食サービス業
創業年 1899年

ライフロボティクス社の協働ロボット「CORO(コロ)」を導入。

画像認識により、COROは皿洗い終了後の食器を、種類ごとに仕分けることが出来る。

また、店舗アルバイトのシフト管理業務をAIに任せることも進めている。

 

大手・老舗企業編 まとめ

今回の「日本のAI事業:2018年上半期」は「大手・老舗企業編」と銘打ち、西暦1999年以前に創業、設立された企業や機関のみを集めて紹介させて頂いた。

もちろん記事になっていない、これら以外のAI事業も山のようにある。

しかし、ここで紹介しただけでも、日本国内では、けっこう「変化球的」「尖った」AIの活用方法を考案し、実用していってるのがわかる。それも、大手企業である「SHARP」や「SONY」が率先して行っているのがおもしろい。

また「サカワ株式会社」のように、大正時代から続く黒板製作の事業を発展させ、黒板を使用している教師をアシストするためのAI技術活用という発想も素晴らしい。

これこそが、日本人特有の「既存の技術を研磨・洗練させて世界最高レベルのものを作り上げていく」いわゆる「ものづくり日本」の底力だ。

元来、日本人は「0」から「1」を作ることを苦手としているが、「1 を 100 にする」ことにかけては秀でたものがある。



次回は「スタートアップ・ベンチャー企業編」と題し、2000年以降に創業、設立された国内企業や機関の、2018年度上半期の活躍について紹介していこう。

こちらもどうぞ:日本のAI事業:2018年上半期【ベンチャー・スタートアップ企業編】まとめ

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