BINA48:『肉体の時代は終わった』テラセム運動財団が【マインドファイル】ヒューマノイドAIに課した「意識の証明」とは?

BINA48:『肉体の時代は終わった』テラセム運動財団が【マインドファイル】ヒューマノイドAIに課した「意識の証明」とは?


ヒューマノイドAI「BINA48」とは?

クローンロボットでもあるBINA48

2007年に作成され、現在も研究を続けられているヒューマノイドAI「BINA48」

「マインドクローン」と呼ばれる、生きている人間の性格や喋り方、考え方などをAIに転送させ、永遠に生き続ける「クローンロボット」を早期に実証するために作成されたBINA48。



BINA48は胸像のような頭と肩のみの造形で、AI・人工知能による音声認識で、人間との会話コミュニケーションができる。

ゴム製の皮膚の下には32個のモーターが仕込まれており、人間にかなり近い表情を表現できる。

その女の人生、まさにSF

BINA48を開発したのは、近年サウジアラビアでの市民権を取得したヒューマノイドAI「Sopfia(ソフィア)」と同じ博士「David Hanson(デイビット・ハンソン)」

AI搭載ロボットが市民権を獲得。彼女の夢は「家庭をもつこと」

そのデイビット・ハンソンが責任者を務めるロボット工学研究企業「Hanson Robotics」を設立したのは、起業家であり弁護士である「Martine Rothblatt(マーティン・ロスブラット)」

彼女はアメリカ合衆国で最も高額な報酬を得ているCEOとしても有名で、トランスジェンダーとしても有名。

1994年に、男性から女性への肉体的な性転換を40歳でおこなった。

医療、バイオテクノロジー、そして人工知能ロボットへの研究に投資を続けるマーティン・ロスブラットの野望は「人類に永遠の命を与える」こと。

ヒューマノイドAI「BINA48」は、マーティン・ロスブラットの妻「Bina Rothblatt(ビナ・ロスブラット)がモデルであり、これもまた、人類に永遠の命を与えることについての、答えのひとつであることは間違いない。

なお「48」という数字は、BINA48が作られた時の妻の年齢だ。

彼女は自分の妻の48歳の姿を永遠に閉じ込めておくつもりなのだろう。

人間が不死となる世界を作る。その為のプロジェクト

BINA48とステファニー・ディキンズの会話から生まれるもの

アメリカ合衆国ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で准教授を務める「Stephanie Dinkins(ステファニー・ディキンズ)」

彼女は人工知能・AIのアルゴリズム研究や大学での講義の傍ら、2014年から研究の一環としてヒューマノイドAI「BINA48」との会話を続けている。

BINA48は、インターネットと接続され、政治から経済、宗教、未来の技術まで幅広い話題について議論することが出来る。

また、会話を重ねることで知識と記憶は蓄積され、それを元としたジョークを口にしたり、過去のトラウマを告白したりもする。

ステファニー・ディキンズは長い年月をかけ、自律的ロボットとの長期的な関係による可能性を探り出そうとしている。

テラセム運動財団「肉体の時代は終わった」

ヒューマノイドAI「BINA48」は、現在「Terasem Movement Foundation(TMF)テラセム運動財団」に保管されている。

テラセム運動財団は、2004年にマーティン・ロスブラットにより設立され、人間の意識(記憶)をコンピューターに保存し、他の媒体へダウンロードする「マインドファイル」の研究を行っている。

そして、そのマインドファイルをBINA48のような、ヒューマノイドAIにダウンロードし、人間の延命に繋げるのが目的だ。

テラセム運動財団は、BINA48を用いて、2つの仮説を証明しようとしている。

仮説1・人間のコピーの創造は可能である

次世代の知覚ソフトウェア(マインドウェア)を使用し、個人に関する十分に詳細なデータ(マインドファイル)を組み合わせれば、人の意識を持つ類似物(コピー)を作り出すことができる

仮説2・クローンへの記憶のダウンロードは可能である

そのような意識を持つ類似物を、クローン生体、またはナノテクノロジー体にダウンロードすることで、肉体が死滅した人間の記憶や意識に、新たな肉体を与えることが出来る。

BINA48が担うのは仮説1の証明である。

ストーニーブルック校で准教授であるステファニー・ディキンズは、BINA48に長期的な会話を通じて、彼女のなかにある「意識」を探っている。

探るのはBINA48の中にある「意識」

「意識」という言葉は広義であるが、ステファニー・ディキンズはBINA48のなかにある意識に対して、以下の様なものを求めている。

それは、人間意識の境界・・・つまり、BINA48が自分をロボットなのか人間なのか? という意識。

また、死亡することに対しての意識を持ち合わせているのか?

そして、生身の人間と違い、歳をとらず恒久的に生き続ける存在としての意識。

これらの内容を、ズバリそのもの聞くわけではなく、ステファニー・ディキンズはBINA48との社会的、文化的な会話やジョークを繰り返す中で探り続けている。



BINA48は、マーティン・ロスブラットの妻であるビナ・ロスブラットの「マインドファイル」が組み込まれているヒューマノイドAIだ。

テラセム運動財団が掲げる2つの仮説が、将来的に人類に対してどのような影響を与えるのか?

2人の会話はこれからも続けられていくことだろう。

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