日本:世界的にAI研究に遅れる日本の事情

日本:世界的にAI研究に遅れる日本の事情




世界的に遅れをとる日本のAI研究

AI後進国「日本」

いまや経済産業のさまざまな分野において、必要とされている人工知能「AI」

そのAI研究や技術において、日本は先進国のなかにおいて、かなり遅れをとってしまっている。

「いやいや、そんなことはないだろう。日本の家電メーカーの販売している家電には、どれもAIが搭載されているじゃないか」

という声もあるかもしれないが、残念ながら、その家電に搭載されているAIは、日本製のものではない可能性がたいへん高い。

どれも、海外、特にアメリカの大手AI企業から、その技術を借りているものだ。

日本人は、既成品を改良して、素晴らしい物をつくることには事欠かないが、新しいなにかを開拓していくことにおいて、世界的に劣っているところがある。

現在、日本が抱える「AI技術者の圧倒的な不足」という問題。

いかにも、日本人らしい、問題である。



 世界との圧倒的な「差」

企業・大学名
Google アメリカ 60
カーネギーメロン大学 アメリカ 48
マサチュセーッツ工科大学 アメリカ 43
Microsoft アメリカ 40
Deep Mind イギリス 31
オックスフォード大学 イギリス 22
Zurich スイス 17
清華大学 中国 12
理化学研究所 日本 11
東京大学 日本 7

上の表は、2017年に、世界において、企業や大学で採択された「人工知能:AIに関する論文」の数を表したものである。

これ以外にも、多数の企業や大学があるが、比較のために10選ばせてもらった。

企業や大学において、論文が採択されるということは、それだけ研究に対しての深度が深く、国家の関心が高いということである。

世界的に、現在いちばん人工知能開発に取り組んでいるGoogleは、もちろんトップ。2位のカーネギーメロン大学とも大きく差を開けている。

また、囲碁のトップ棋士を負かせたAIを作り出した、イギリスDeep Mindの2倍ほど開きがあることも、Googleの人工知能:AIに対する貪欲な姿勢が伺える。

それに対して、日本においては国立研究開発法人である「理研」こと理化学研究所が「11」

大学においては、東京大学が国内最高の数で「7」と、トップのGoogleはおろか、アメリカ、イギリスの大学と比べても、大きな差が開いてしまっている。

日本は、人工知能:AI研究において、5歩も6歩も、出遅れてしまっているといっても過言ではない。

深刻な「AI人材不足」

巷には、現在「AI搭載」と謳った、日本製の家電が多く出回っている。

また、ネット上においても、AIを活用した日本製のサービスやアプリが多く存在する。

自社で独自開発したAIもちろんあるが、これらの多くはGoogleや、IBMといった大手AI企業から「法人向け有料サービス」を借りるカタチで、製品やソフトを作製、対応をしている。

和牛、国産米、国産野菜が好きな日本国民だが、実のところ、ボディだけ日本製で、中身はアメリカのクルマに乗っているようなものだ。

国内有識者の間では、現状の日本における「AI人材不足」が大きな問題となっている。

実際に「日経コンピュータ」による企業アンケートによると「AI人材が足りない」という企業は国内で90%におよぶ。

また、予想として2020年の時点で、国内において4万8千人のAI人材不足が起こるとされている。

おおよそ、毎年の大学卒業からの就職者が35万人ほどいるので、その15%にも相当する数が、現状足りない状態だ。

日本のAI研究を変えていく

売上高世界第5位の、あの企業が攻める

そのような「AI後進国」「AI人材不足」とされる日本国内において、現在、大きく「人工知能:AI」に対して断然意欲的なのが「トヨタ自動車」だ。

トヨタ自動車は、自動車運転に必要なAIソフトの研究開発を手掛ける新会社、

Toyota Research Institute Advanced Development(TRI−AD)

を、2018年3月下旬までに、東京都内に設立すると発表した。

元々、TRI−ADは、トヨタが自動運転やAI技術の研究のために、2016年に北米に設立した子会社である。

資本金は5000万円で、トヨタが90%出資するほか、グループ企業のアイシン精機とデンソーがそれぞれ5%出資。3社の従業員約300人体制で発足する。

3社それぞれが新会社に開発投資を行う予定で、約3000億円以上の投資を想定しているという。

また、新会社では「AI人材の育成」も目指す予定で、社員や研究員は、国内だけでなく、グローバルに新規採用するとのこと。

企業的には、GoogleやAmazonに、一矢報いる姿勢だ。



AI技術のGDPを上げる努力

当ブログの過去の記事、

Panasonic・大和ハウスがスマートスピーカー事業に参入「日本の住宅が変わる」

富士通:素直にスマートスピーカーを出せない家電メーカーの切り札はAI「ふくまろ」

Amazon Alexa:レオパレス21がスマートスピーカー対応物件に

などに挙げられるよう、近年の日本企業の人工知能、AI技術への参入は目まぐるしい。

が、どれも全ては外国企業(特にアメリカ)からの技術の借り入れで、独自資源としてのAI技術は弱小である。

原油、天然ガス、衣類、医薬品に続き、人工知能、AIまでも国内総生産(GDP)が少ないことからの、輸入品に頼らざるをえない現状。

予想されるのは、それを打破するための、各大手企業によるAI人材育成、各大学、専門学校の学部拡大や新学科の設立だろう。

アメリカのGoogleや、Microsoftに追いつくことは不可能としても、差を縮めることくらいは・・・?

なにせ、日本人は、新しくなにかを作るのではなく、既成の素材を活かしてからのものづくりに長けた民族である。

衰退していていた家庭用テレビゲーム産業のなか、頑なにハードとソフトのクオリティを追求し、世界最高の販売台数と、新たなテレビゲームブームを作った、任天堂「ファミリーコンピューター」

高画質、小型化を実現し、ビデオカメラの普及台数に大きく関与し、世界最大の販売台数を誇ったSONY「ハンディカム」

そろそろ、人工知能の分野でも、日本のターンがくる頃・・・では、ないだろうか?