Eye in the Sky:サッカーフーリガン暴動対策にも「ドローンと人工知能AIによる群衆監視」新幹線殺傷事件のような悲劇を繰り返さない未来

Eye in the Sky:サッカーフーリガン暴動対策にも「ドローンと人工知能AIによる群衆監視」新幹線殺傷事件のような悲劇を繰り返さない未来


群集内での暴動やケンカをAIが早期発見

大規模イベントには暴動を防ぐために多くの予算が使われている

2018年6月14日より開催された「FIFAワールドカップサッカー ロシア 2018」や、2020年に行われる「東京オリンピック」

このような大規模イベントにおいて、懸念されることが「群衆内での暴力行為」だ。



特に、サッカーの場合「フーリガン」と呼ばれる、暴力的なファン層もいたりする。

現在開催中のロシア ワールドカップにおいても、フーリガン対策として、個人情報収集からの観戦ID発給の禁止をはじめ、大きな予算と人員が割かれたりしている。

このようなフーリガン対策や、大規模イベントにおいての暴動を未然に防ぐため、イギリスとインドの研究者による新しいプロジェクトが試みられた。

Eye in the Sky

ドローンにより上空から群集を監視

監視プロジェクトのシステムの名は「Eye in the Sky(空の目)」と題された論文で説明されている。

論文の内容は以下のとおりだ。

「parrot AR(パロットAR)」というドローンを利用し、Wi-Fiを経由して動画を解析にまわす。

動画は人工知能(AI)によって解析される。

動画に映っている人間の姿勢を推測し、研究者が「暴力的」と指定した姿勢と照会する。

研究では「首を締める」「殴る」「蹴る」」「撃つ」「刺す」の5つの姿勢のみが指定されていた。

これまでは定点観測による「人の目」からの監視で、このような暴徒の発見が行われていたが、ひとりの監視役に対しての対応人数があまりにも多過ぎて、見逃しがちな点が多かった。

しかし、人工知能による映像分析であれば、見落とす確率は大きく軽減できるというわけだ。

Eye in the Skyの抱える問題点

この研究は開発段階で、まだ精度的に問題がある。

プロジェクトの中心人物である、ケンブリッジ大学の研究者「Amarjot Singh(アマージョット・シング)」らは、このシステムが94%の精度で暴力的な姿勢を特定できると報告している。

が、これはあくまで画面内に2人の人物しか映っていない場合である。

画面内に人が増えるほどに精度が低下するとも述べている。10人いると79%に低下するのだ。

これでは100人以上の人数になると、精度は10%にも達しないと予想される。

発展途上のEye in the Sky

また、実験映像の人物の行為が本物ではないことも問題材料だ。

AIを訓練・試験するために、研究チームはボランティアの出演者が他人を襲う振りをした場面を録画した。

出演者はかなりスペースを取った上で、大げさに動いている。

実際に群集のなかで暴動が起こる際、このような大げさな行動からはじまることは少ない。

むしろ、ちょっとした小競り合いから大きなケンカなどに発展する場合が多い。

更には、人工知能(AI)は、主演者が「ハイタッチ」したシーンも、暴力的な場面としてアラートを発報したりと、誤報もあったりした。

ケンブリッジ大学のアマージョット・シングは、この監視システムの実際の現場における性能を完全に反映したものではないことを承知しつつも、もう直ぐ開催されるインドの2つのイベントで実験する予定だと話している。

実際にイベントに使用され、どれほどの精度を発揮できるのか?

結果内容によって、Eye in the Skyは改良されていくことであろう。

群衆監視システムで悲惨な事件を未然に防ぐ未来

このような群衆監視システムの発展は大いに望ましい。

まだ、完成段階ではないが、この研究の完了の暁には、これまで世界のいたるところであった悲惨な事件を未然に防げるようにもなるだろう。



2018年6月9日、東海道新幹線の車内で男女3人が刃物で襲われ、男性1人が死亡する事件があった。

日常的な状況が、一気に非日常的な状況となる「無差別殺人」

実は、新幹線内でのこのような事件は、世間が忘れているだけで「つい最近」でも起こっている。

それは、たった3年前の2015年6月30日に起こった、同じく東海道新幹線内での「焼身自殺」事件だ。

別にJRをディスるわけとかではないが、同じような密室内での被疑者による「猟奇的な犯行」を、たった3年内に2回も行わせてしまったことは、何百人という乗客が搭乗する旅客車両を運営する会社としては、あまりにもお粗末すぎる。

群衆の中の「異端」を発見できる人工知能(AI)のシステムの本格導入の実現。

前述したような悲しい惨事が起こらないためにも、早く普及してほしいものだ。