DeNA:PSGANがアニメ業界製作現場を変える? 思い描いたものが絵になるゴールを目指して

DeNA:PSGANがアニメ業界製作現場を変える? 思い描いたものが絵になるゴールを目指して

思い描いたものが絵になるゴールを目指して

ネット上には美麗なイラストやアニメーションがたくさん溢れている。

ドローイングアーティストの画材が、パステルやアクリル絵の具からマウスとペンタブに替わって約15年ほど。

画材がアナログからデジタルに替わり、新たな表現方法や、新たな効果手法を手に入れた。

人類は「絵を描く」という文化において、更なる一歩を踏みだそうとしている。

ゴールは「思い描いたものが絵になる」である。

そこへ向けて、またひとつの科学が生まれた。

その技術を作り出したのは、ゲーム・エンターテイメント企業「株式会社DeNA(ディー・エヌ・エー)」

DeNAは人工知能(AI)を用いることで、鮮明なアニメキャラクターの画像生成および、作成したキャラクターに動きをつけることが可能な「動画生成技術」を開発した。


DeNA は、この技術をさらに発展させ、ゲームやアバター等のコンテンツ事業でのイラスト・アニメ制作に活用し、より楽しんで頂けるようなコンテンツを提供していこうと考えている。

人工知能が潜在変数から新キャラを作成

株式会社DeNAが開発したPSGAN(Progressive Structure-Conditional Generative Adversarial Networks)という技術は、潜在変数から多くのアニメキャラクターを生成できる。

例として、下の画像のように、異なる衣装のキャラクターに対応する潜在値を、PSGANで補間することで、新しいフルボディアニメキャラクターを生成している。

左のCharacter1は黒いパンツルックの衣装で、右のCharacter2はピンクのスカート衣装。

モーフィング技術のように、その間の変化中の画像データを人工知能(AI)が1枚の絵として描き直している。それにより、2枚の衣装デザインの絵から4枚の新しい衣装デザインが生まれたことになる。

この技術を応用すれば、性別も、髪型も、体格も違う2つのキャラクターの途中変化を補間することで、いくつもの新しいキャラクターを生み出すことが可能ということだ。

使用例として、主人公ハーレムもののアニメ番組を作るとして、登場する女性キャラクターのうち、対照的なAちゃんとBちゃんの2人を作成してしまえば、残りの4人くらいはPSGANが作り出してくれるということだ。

2Dキャラにアクションをさせることも可能

更に、PSGANでは、作り上げたキャラクターにアクションを追加することも可能である。

指定されたアニメキャラクタの表現を、PSGANの入力ベクトルとなる潜在空間の潜在変数にマッピングすることで、アクションの生成が可能となる。

この技術の凄いところは、あくまでこのキャラクターが「2D」であるということだ。

3Dモデリングでキャラクターを生成すれば、このようなことはいくらでも可能だが、3Dのモデリングの作成には、かなりの技術と時間を伴う。

それが、PSGANの場合は、幼稚園児がスケッチブックに描いたアンパンマンからでも、PSGANで使用できるキャラクターに形成しなおし、更にはアクションをつけられるという点である。

更に付け加えれば「後ろ姿の自動形成」もある。

上の画像のように、基本となっている画像は女の子の前向きのものであるが、そのキャラクターが回転をすることにより描かざるを得なくなる「後ろ姿」も、PSGANは自動形成してくれる。

PSGANがアニメ製作現場を変えていく?

DeNAが開発しているアニメーション画像形成技術「PSGAN」

現在のレベルで、商用のアニメーションでも使用できるレベルまではきているとのこと。


DeNAは、この技術を利用してのゲーム制作や、アニメーション技術の他社への提供を進めている。

ただし、このPSGANが利用できるのはあくまでまだ「人間的」なキャラクターのみである。

乗り物や動物、植物などは未開発の段階だそうだが、四足歩行の動物を中心に、技術の発展を進めていく予定だ。

また、この技術、なにもアニメーションレベルのものだけではない。

実際のモデルの写真などを使用しての衣装変更や、ポーズ変更も可能。

やもすると、未来の俳優や女優は、全身の写真画像を提供するだけで、演技をしなくてもよくなる日がくるのかもしれない。